Monthly Archives: November 2011

いわきパオ広場

いわきパオ広場

当サイトで、イラストを提供して下さっている他、
放射能から身を守る』の製作もされている、松田文さんが、
パオ広場で、活動されている。

パオ』とは、モンゴル語でゲルとも呼ばれる、移動式住居のことで、
それに、よく似たテントが象徴的な施設が、
中央台暮らしサポートセンターに設置された『パオ広場』である。
この施設は、機能やサービスが、非常に充実しているため、
松田氏の了解を頂戴して、当サイトで紹介させて、頂くことにした。

3月11日、震災当日。
いわき市も例外なく、地震や津波の被害を受けた。

いわき市(3月11日)
『東日本大震災と大津波、福島第一原発事故への取組み』より
いわき自立センター

過去に、同いわき市四倉地区へ、
炊き出し隊に同行させて頂き、訪れたことがあるが、
震災から2ヶ月近く経っても、
被害の爪痕は、色濃く残っていた。
・[四倉の大地

パオ広場がある高久地域は、福島第一原発から40Km超。
この地域に、10以上の仮設団地がある。

パオMAP
種花TANEHANA Map

広場は、その地域に住む子供たちに解放され、
勉学、遊戯施設の整った環境となっている。

パオ建設の様子

子供たちは、ここで遊び、学ぶことで、
窮屈な仮設住宅での生活から、僅かながら開放されているようだ。

パオ広場の生活 パオ広場の生活 パオ広場の生活

また、フリーマーケットの開催や炊き出し支援の来訪、
ご高齢者が集まって、グランドゴルフなどを、楽しんでおられる。
正に、地域一帯のコミュニティーの核になっていると、言えよう。

フリーマーケット ラーメン炊き出し グランドゴルフ

また、『パオ広場』新聞が発行され、
情報交換の場としても、機能している。

『パオ広場』新聞

これ程、充実した支援が行えるのは、いわき地区 NPOネットワークの、
結束の強さに他ならないが、
他の地域でも、仮設団地の要所に、この様な施設があれば、
仮設住宅の生活も、幾らか心強いに違いない。

パオ広場blog

四倉 パオ広場

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在宅被災者の現状

在宅被災者という言葉は、決してメジャーではない。
ケースは様々あり、一概には言えないが、

・地震や津波により、家屋が半壊、若しくは床上浸水し、
 住むことは可能だが、決して万全な状況ではない。
・住宅は残ったが、家族の働き手を被災によって亡くされた方
・地域一体が仮設住宅等に移り住み、現地に残ったご高齢者

等々、自宅に居ながら、
被災によって何らかの被害を受けている方々である。

道理としては、行政が何らかの支援策を講じるべきなのだが、
何故、史上最高といえる大震災である。
個別の対応は、難しいようだ。
この背景には、市等が家屋の「半壊」「全壊」判定を行い、
見舞金等が発生していることから、
例えば、「ご高齢者が自宅で暮らしが大変だろうから」と、
簡単に、仮設住宅に住むことは、なかなか叶わないのが現状である。

・朝日新聞[半壊でも仮設住宅資格外… 入居基準、自治体でまちまち

一部の団体が、支援を行なっているようだが、
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター
状況は日毎、寒さが増すごとに、深刻になっているようだ。
その背景には、
「住宅が全壊された方に気の毒で、家が残ったからには多少の我慢は仕方がない」
という気運が流れていることも、大きいと思われる。

そうした状況に、
かつての避難所が、大きな役割を果たす場合がある。
本日、陸前小野(成瀬地区)にある、
あいあい子育てセンター」から、手紙が届いた。
兼ねてからの交流は、過去の記事で取り上げている。
・[あいあい避難所
・[避難所最後の日
現地に赴けば、当時避難所で暮らした方々に連絡を取り、
「あいあい避難所」で、ご挨拶をさせて頂いている。

避難所閉鎖後の交流

避難所閉鎖後の交流

本日、その「あいあい(元)避難所」から手紙が届いた。
ここでは、かつて避難所生活をされていた方々が、
折をみて集まり、作品の鑑賞会などを、催しているようだ。
その様子を、写真で送って下さったのである。

元避難所の懇親会 元避難所の懇親会

彼女たちの多くは、在宅被災者である。
家の修繕が住むと同時に、避難所を出られ、
ご自宅に帰られた。
しかし、生活に不自由があることに、代わりはない。
皆が互いを気配り、自ら、こうした懇親会を開いているのだ。

あいあいからの手紙
彼女たちは、とにかく明るくて逞しい。
その様子は、この写真からも、お分かり頂けるに違いない。
写真は、避難所生活を送られていたとき、頂戴したモノである。

あいあい避難所 鳴瀬 陸前小野

陸前小野は、仙石線の開通工事が急ピッチで進められている。
・河北新報[年度内再開へ急ピッチ 仙石線復旧工事・陸前小野―矢本間
しかし、陸前小野駅より更に、松島湾よりの、
野蒜-東名間の仙石線開通の見込みは、未だない。
その地域に住んでおられる、在宅被災者の方々が、
どんなご苦労をされているのか、
皆目、見当がつかないのが、現状である。

仮設住宅の防寒工事

News 仮設住宅

防寒工事の遅れが指摘されていた宮城県でも、
一部の地域で、工事が佳境に入っている。

 詳細[防寒対策予定表(東松島市)]

第一期工事として、外壁断熱工事が施工され、
現在は、第二期として、風除室設置工事が、まもなく終了しようとしている。

二重サッシ
※二重サッシ 結露防止、断熱、防音に効果がある

風除室1 風除室2
※風除室 屋外の冷気や暖気の流入を妨げ、屋内の室温を保つ

更に、追加工事として、給気口工事が予定されている。
給気口は、暖房による一酸化炭素中毒を防ぐ効果を期待してのモノだが、
寒気が流入する可能性もあり、総合的な効果の程は、
工事が完了しないと、判らないと言った所だろう。

これから、新年に向けて、
仮設住宅に帰省する人たちも多いと思われる。
住居は、住民数によって、広さが別けられている為、
・[仮設住宅の間取り
帰省客が、寝泊まりすることが出来ないことが懸念される。
上北谷地の仮設住宅では、
「空室をゲストルームとして、提供できないか」と、
東松島市に要望しているが、
県の方針で、仮設住宅を運営している為、
容易では、ないらしい。

宮城県の臨機応変な対応が、望まれるところだ。
※提案書『仮設住宅の空き部屋有効利用』 が、宮城県知事に提出されました。

上北谷地仮設住宅は、小規模団地の為、工事の進捗が早いが、
未だ、防寒工事が終了していない地域もある。
更に、
東海新報社[大船渡市の仮設住宅、止まらない入居希望者
で、報じられている様に、未だ仮設住宅への入居が叶わない方たちも居る。

11月26日、岩手県大船渡市の気温は最低3°C、最高8°Cの予報。
宮城県東松島市では、最低4°C、最高9°Cの予報で、
気温は日増しに、低下している。

仮設住宅の越冬準備は、まだまだ整備が必要な状況だ。

SINCE311 被災地の軌跡 仮設住宅

陽はまた昇る

当サイトのヘッダーに使っている写真は、
震災以前(2010年8月10日)に、野蒜で撮影された、
写真である。

3月10日の風景

山間に沈む夕陽だが、見様によっては昇る太陽にも見える。
被災という今日が沈み、
いつか、鮮やかな朝日が、
地域を照らす願いが込められている。


この写真は、光司が撮影したモノだ。
震災以後の状況は、[津波の爪痕]で、紹介している。
光司はTwitter で、こう呟いている。
3.25
 家がある人が羨ましい 18年間のものはすべてなくなった
 あるのはSDカードの写真データ数個だけ

その、貴重なSDカードの写真、数個を拝借した。

写真左は、光司の実家である。
家には、父親のホバークラフトやサーフボードがあった。
津波で全てが流され、跡地にサーフボードだけが浮いていたという。

秋の夕暮れ。10月29日に撮影された。


12月3日、15時頃の写真。
大きな雲が流れて時折、薄日挿し込む。

夏には、青々とした田園風景となる場所だ。

12月16日には、雪が降った。

2月8日、穏やかに水面が輝く、東名運河。

優雅に、白鳥が泳ぐ東名運河。
3月10日まで、季節の移ろいと共に、穏やかな時間が流れていた。

近い将来、必ず、この風景が帰って来る。

仮設住宅の越冬準備

News 仮設住宅

東松島では、仮設住宅の越冬準備が始まっている。
市の対策として施工される、外壁断熱工事や、
風除けの為の、サッシや網戸の設置、暖房便座の取り付けが、
行われている。[防寒対策予定表(東松島市)

断熱工事 断熱工事 断熱工事

この地域では例年、初雪が11月下旬頃に観測され、
積雪を伴う降雪は、12月下旬以降となる。
仙台平野が、太平洋に向けて広がり、
海洋性気候で沿岸部は比較的、積雪が少ないようだ。
・Wikipedia [仙台の気候

日本気象協会のアメダスによると、
11月7日の気温は最高15.3℃、最低12.2℃と割合高く、
気温の上では、越冬対策は、これからが本番といえる。
・tenki.jp [東松島のアメダス

仮設住宅には、最低限の暖房設備があるが、
現在、量販店などでは、仮設住宅に住んでいる方々の、
暖房器具の新調が、盛んなようだ。
11月3日付の日経新聞によると、コタツが昨年の2.7倍、
コタツ布団が7倍の売上を記録しているという。[記事

また、結露による被害が出ないよう、周知がされている為、
厚手の部屋着や、「着る毛布」の売れ行きが好調なのだという。

上北谷地の仮設住宅から、談話室の写真が届いた。
仮設住宅への支援]で紹介したよりも、
内容が、更に充実している。
この場所が、子供たちの遊び場になり、
お年寄りの憩いの場となれば、懸念される[孤独死問題]は、
大分、軽減されるだろう。

2011年3月11日。この地方は、雪が降っていた。
津波に呑まれ、凍死した方も多かった。
初雪が振ると、このトラウマが蘇るという方もいる。
本当の越冬準備は“心”への温もりなのかも知れない。