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帰りたい風景

News 松島湾][English

尾形さんが撮影した松島湾

宮城県東松島市ひびき工業団地仮設住宅に入居している、
漁師の尾形さんから、お渡ししていたカメラが届いた。
丁度、お盆の頃だったが、体調を崩されていて、
「郵送が遅くなってしまった」と、手紙が添えられていた。

写真は、一見すると美しい松島湾の風景に見える。
尾形さんから送られてきた写真のほとんどは、
海の写真だった。
無残に積み上げられた瓦礫の山ではなく、
穏やかな海。
そこに、尾形さんは何を見、感じたのだろうか。

種花ALBUM

松島湾は、かきの養殖で有名な地域である。[松島湾の復興
尾形さんは、かき養殖を生業としている。
かきは、ホタテの殻に稚貝をつけ、竿が立てられた養殖場で育てられる。
その養殖場一帯が、津波で全壊した。今年は全く漁が出来ないという。

その修復作業の写真を、前回うがった時に、拝借してきた。

流された記録

「帰りたい風景」それは、帰れない風景なのかも知れない。
しかし、海は刻一刻と姿を変え、育って行く。
来年、尾形さんが育てた、美味いかきが喰えるに違いない。

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写真救済プロジェクト

English


0930 読売新聞[「思い出」6000枚輝き再び


想い出は流れない。

このプロジェクトの発起人は、高井晋次さん。
高井さんも津波被害に遭い、
営んでいた気仙沼のイチゴ農園が全滅となる被害を受けた。

ことの発端は、復興活動に従事る自衛隊が、瓦礫と写真をより分けている。
という、話を聞いたことからだという。

気仙沼の体育館に集められた写真で、
今も所有者が判らないモノは、120万枚に及ぶという。

気仙沼の体育館 体育館に運ばれた写真

写真の洗浄は、
まず、泥にまみれた写真を、アルバムから剥がすことから始まる。
水で丁寧に泥を落としながら、水道水で二度洗いをする。

写真洗浄

洗った写真は、トレイに移して専用の乾燥機にかける。

トレイに移された写真 写真乾燥機

損傷の激しい写真は、乾燥機にかけずに陰干しする。

陰干し1 陰干し2

綺麗になった写真を、アルバムに収納する。

アルバム収納1 アルバム収納2

アルバムは避難所となっている気仙沼市階上中学校に運んで、
そこに設置された「思い出ハウス」に展示され、閲覧可能となる。

思い出ハウス

「思い出ハウス」には、ご位牌や、その他の記念品も保管されている。

位牌 思い出ハウス

「去る人日に疎し」という。
長い年月の中、故人の想い出すら薄れてゆくのは余りに悲しい。
また、これから復興に立ち向かわねばならない人々にとっても、
過去の想い出は大切なモノだ。
いつか、更なる困難にブチ当たった時、
きっと、想い出が疲れた心を、励ましてくれるに違いない。
とても、素晴らしいプロジェクトだと思う。

「人の噂も七十五日」という。
被災地から離れた首都圏では、復興への関心が薄まりつつまる。
しかし、7月も終わりに近付いた今でも、
気仙沼の廃墟群は、津波の爪痕を残したまま佇んでいる。
こうした活動が継続して続き、新たな一歩になれば素敵だ。

車窓の風景

Storage Shad 流された記録 写真救済プロジェクト

Photo by Aya Fujishima


 
読売新聞 「思い出」6000枚輝き再び

津波受けた写真洗い持ち主へ

被災地で見つかった写真を洗浄すする「育て上げ」ネットのメンバーら

被災地で見つかった写真を洗浄すする「育て上げ」ネットのメンバーら ニートなどの若者を支援しているNPO法人「育て上げ」ネット(立川市)が7月から、東日本大震災の津波で汚れた写真を洗い、アルバムに入れて持ち主に返すボランティア活動を続けている。「生きた証しを持ち主へ」。そんな思いでメンバーらが汚れを落とした写真は3か月で、約6000枚に上る。

 結婚式でキャンドルサービスする若い2人、運動会の行事、旅先での記念撮影――。同市高松町の同法人事務所には、泥にまみれた写真がずらりと並ぶ。スタッフらは、写真をバケツにくんだ水に浸しながら、指で一枚一枚丁寧に汚れを落とす。その後は、ひもに洗濯ばさみでとめて乾かす。写真をみて涙ぐむ人もいた。「一枚一枚が重い」。スタッフの一人は話す。

 これまでに作業に参加した人は延べ約180人。同法人のスタッフや訓練中の若者のほか、口コミを通じて手伝いに来てくれた人もいる。役に立ってほしいと、ゴム手袋やマスクなどを寄付してくれた小学校もあったという。

 「気仙沼復興協会」(宮城県気仙沼市)の高井晋次さんが進める写真救済プロジェクトに賛同するかたちで、作業をはじめた。「現地に行けなくても、できることはあると考えた」と同法人の深谷友美子広域担当部長は参加の経緯を話す。

 同協会の高井さんによると、同法人などの支援で、きれいにされた写真は、気仙沼市内の体育館に並べられており、1日約100人が写真を捜しにやって来る。がれき撤去が進むにつれて写真も相次いで発見されており、まだ5000枚以上の写真の洗浄が終わっていないという。

 高井さんは「汚れた海水につかった写真は早く洗わないと劣化が進むので時間との闘い。(同法人は)随時、作業に応じてくれるので、本当に助かる」と話す。

 ボランティア活動を進めるうえで、写真の郵送料を負担したり、人手の点で苦慮している面もあるが、同法人の工藤啓理事長は「遠隔でも役に立てることもある。今後も続けていきたい」と話している。

(2011年9月30日 読売新聞)